2007年9月25日火曜日

北ア:剱岳・小窓付近で大牟田岳稜会の8人迷い、救援要請

NHK富山のニュース - 剱岳で8人救助求める

この一行は福岡県の山岳会、大牟田岳稜会のメンバーの男女8人です。

警察によりますと、25日朝8時45分ごろ、この山岳会のメンバーから「剱岳の標高およそ2650メートルの三ノ窓近くで道がわからなくなった」と携帯電話で救助を求めてきたということです。

電話をかけてきたメンバーによりますと、8人は男性5人と女性3人で、メンバーの中には、年齢が50代後半から60代の人も含まれていますが現在も携帯電話で連絡が取れていてけがもなく無事だ、ということです。

8人は、24日の夕方に剱岳山頂から仙人池に向かう途中で道に迷い、三ノ窓周辺に避難しているということです。

剣岳で男女8人が救助要請 福岡・大牟田岳稜会 - 山陽新聞ニュース

25日午前8時45分ごろ、富山県立山町の北アルプス・剣岳の三ノ窓近く(標高2650メートル付近)で、福岡県大牟田市の大牟田岳稜会の男女計8人が「道が分からなくなった」と携帯電話で110番、救助を要請した。

調べでは、50−60代の男性5人と女性3人で、福岡、熊本、神奈川各県の在住という。22日から入山していた。

富山県警上市署は、悪天候のため25日の捜索を断念。8人の装備が比較的しっかりしていることから、現場にとどまるよう指示したという。

[剣岳の8人 無事に救助 福岡県大牟田岳稜会] / 社会 / 西日本新聞

富山県の北アルプス・剣岳で道に迷って救助を求めていた福岡県の大牟田岳稜会(がくりようかい)の男女8人は26日朝、富山県警山岳警備隊に救助された。8人にけがはなく、既に帰路についたという。

北日本新聞社 富山のニュース - 福岡県の男女8人 無事救助 剱岳小窓、ヘリで室堂へ搬送

救助活動は同日午前六時十五分ごろから同五十分まで三回に分けて行われ、八人は県警山岳警備隊員の介助でピックアップされ、室堂ターミナル近くの国見ヘリポートまで運ばれた。

同署によると、疲れから腹の不調を訴える登山者もいたが、治療を受けるほどではなく、元気だという。

 一行は二十二日に室堂から入山。二十四日に剱岳に登頂後、仙人池に向かう途中、ガスで視界が効かなくなって道に迷い、小窓付近で持参していた簡易テント(ツェルト)で野営した。二十五日には携帯電話で救助を求めたが、悪天候のため同所で野営していた。

同署によると、救助されたのは小窓付近だったが、一行は三ノ窓(二、六五〇メートル付近)と思い込んでいたらしい。ルートは剱岳の北方稜線で上級者向きという。

KNB NEWS|KNB WEB - 剱岳で遭難の8人全員無事救助

8人は自分たちのいた小窓付近を三ノ窓と間違うなど現在地の確認ができておらず、また迷ったと気づいたときに来た道を引き返さずほかの登山者が通った跡などを探して体力を消耗してしまい、助けを求めたとみられます。

山道を行く 【遭難カルテ142】 剣で8人、無事救助

少しややこしいルートに大人数の年配の方、希薄なリーダーの存在。。。。
この時点で、ぼんやりと危なっかしさが漂ってくるのは、あくまで個人的感想に過ぎませんが。。。。。。

福岡県山岳連盟 山岳・クライミング情報 : 北アルプス 剣岳 北方稜線における遭難事故の報告

福岡県山岳連盟の加盟山岳会パーティー8名が平成19年9月25日、標記のルートを登山中、天候不良の中、剣岳主稜線の小窓付近でルートを外し、道迷いの状態になり遭難し、110番で富山県警に救助を要請し26日に救助されました。

遭難事故の内容と原因

1.事故発生月日 平成19年9月25日(火)

2.発生場所 北アルプス 剣岳の北方 小窓付近(標高 2,400m)

3.天候 9月24日(月)  晴れのち曇り
     9月25日(火)  小雨、ガスにより視界不良

4.遭難者 8名(57歳、59歳、62歳2名、63歳、65歳、66歳CL、69歳)

5.遭難事故の原因

  • (1)剣山頂から北方稜線は上級者向きコースにもかかわらず、ルートを熟知していなかった。
  • (2)池の谷乗越通過以降、ルート上のポイントを確認していなかったため、現在地点がわからなくなり、道迷い状態となる。(2万5000分の1の地形図は持っていたが確実にチェックしていなかった)
  • (3)小窓のコルまで行ったにもかかわらず、三の窓と誤認したため自力での脱出の方法を見つけることが出来なかった。
  • (4)メンバーの年齢構成から判断してルート選定に無理があった。

以上、福岡県山岳連盟に提出された事故報告書より、抜粋。(事故に至る経過と状況は中略)

福岡県の山岳パーティの事故は、昨年の白馬岳の遭難事故など、ここ数年事故が続いていることから、喫緊の遭難事故防止の取組みが求められる。

各山岳会の自主的取組みとともに、未組織登山者の遭難防止対策も含め、福岡県山岳連盟や勤労者山岳連盟及びプロガイドの組織の垣根を越えた取組みが必要であると考える。

結果的に死亡事故に至らず、全員無事救助され下山したことは、リーダーの判断が正しかったということだろう。上記遭難事故の原因分析を教訓にして、今後福岡から事故が起こらないことを祈る。