2007年12月31日月曜日

北ア:槍平で雪崩・7人がのみこまれる

徳島岳人ク2人重体 北アルプス槍ケ岳で雪崩 徳島新聞社

1日午前0時15分ごろ、岐阜県高山市の北アルプス槍ケ岳(3、180メートル)の中腹で雪崩が発生し、複数のパーティーの登山者数人が生き埋めになった、と登山者から119番があった。高山署が通報者と連絡をとったところ、徳島県人4人を含む2つのパーティーの計7人が巻き込まれ、男性4人が意識不明の重体という。県警山岳警備隊は天候が回復次第、救助に向かう。

県人ら4人死亡確認 北ア槍ケ岳の雪崩遭難 徳島新聞社

同県警高山署によると、1人が自力で脱出、6人を別の登山者が救出し、近くの槍平小屋に運んだが「徳島岳人クラブ」(徳島県)の団体職員市川啓二さん(51)=徳島県松茂町、大学助教西井健さん(31)=徳島市=と「三峰山岳会」(東京都)の内装業越前屋晃一さん(60)=神奈川県海老名市、会社員金指伸一さん(45)=東京都目黒区=の死亡が確認された。

岐阜地方気象台によると、新雪が硬い雪の上を滑り落ちる表層雪崩の可能性が高いという。1日朝、救助に向かった県警山岳警備隊が、午後に小屋に到着して4人を確認した。

現場は積雪3メートル以上とみられ、岐阜地方気象台は岐阜県の飛騨地方北部に大雪警報と雪崩注意報を出し、警戒を呼び掛けていた。

越年登山、突然の悲報 槍ケ岳の雪崩2県人死亡 徳島新聞社

中日新聞:北ア雪崩 「安全地帯」で遭難 山岳関係者ら困惑「対策難しい」:岐阜(CHUNICHI Web)

1973年、現場から400メートル上方で京大生5人が亡くなった雪崩事故の救助に加わった元北飛山岳救助隊長の内野政光さん(64)は「雪に埋まってもすぐ脱出できるよう、雪山でテントを張るときは、ズボンのポケットにナイフを入れておく必要がある」と、登山者に自衛策を促す。

高山市の飛騨山岳会では、雪崩の危険性を予測する「弱層テスト」を会員に指導している。登山道の入り口で、スコップで雪を掘り、日光や雨で解けた雪の上に新雪がかぶさって雪崩の原因になる「弱層」がないかどうかを確かめる。同会の木下喜代男会長(63)は「このテストは、まだあまり普及していない。欧米と比べ、日本では雪崩に無関心なのではないか」と指摘している。

北ア雪崩で4人の遺体を収容 槍ケ岳、生存者は下山 : 47NEWSS

ヘリで4遺体収容 槍ケ岳遭難で岐阜県警 : 47NEWSS(動画)

掘り出して人工呼吸…北ア・雪崩事故、必死の救出劇(読売新聞) - Yahoo!ニュース

槍ケ岳雪崩:寝た位置で明暗 死亡者はテントの両端 - 毎日jp(毎日新聞)

岐阜県高山市の北アルプス槍ケ岳で先月31日に発生した雪崩で、窒息死した男性4人はそれぞれ二つのテント内の両端に寝ており、真ん中にいた男女3人が助かった。結果的に、寝ていた位置が生死を分けた形になった。

仲間捜し必死に雪掘る 槍ケ岳の雪崩 - 岐阜新聞 Web

31日深夜。元旦の槍ケ岳登頂に備えて寝静まる登山者のテントを「突風が吹いたかのような」ドーンという強い衝撃が揺さぶった。現場周辺に寝泊まりしていた登山者は皆、雪崩の音はなかったと不気味さを振り返った。

竹内さんは、全身にのしかかる強い圧力を感じて目を覚ました。手探りで手にした割りばしを使ってテントを引き裂き、手で雪をかき分けると、ぽっかりと空が見えた。自力ではい出したのは竹内さんだけ。「おーい、助けてくれ」と叫びながら、友人の埋まっている辺りを素手で必死に掘り続けた。

徳島岳人クラブの鈴木基男さん(47)と長瀬美代子さん(30)は、身動きが取れないテントの中でもがき続けた。「息ができず、何が起こったのか分らなかった」。鈴木さんの意識は次第に遠のいていった。長瀬さんは上半身の自由が利いたため、テントを歯で食いちぎり、右手で雪をかいた。しかし、一向に空は見えなかった。

現場から約20メートル離れた冬季小屋に宿泊していた別のパーティーが事態に気付き、外に飛び出してきた。冬季小屋の宿泊者で第1通報者の北島英明さん(48)=横浜市=は周囲を見渡してがくぜんとした。「来た時と全く景色が変わっていた」

「この辺りか」「急げ」。他の登山者ら約20人と、竹内さんが雪を夢中で掘った。10分後、三峰山岳会のテントの中から越前屋晃一さん(60)、金指伸一さん(45)を発見。2人の顔面にはテントのシートが密着し体は冷たかった。

徳島岳人クラブのテントは1メートルの深さの雪に埋もれていた。雪崩発生から約1時間後の午前零時30分、北島さんは雪の中から突き出た木の枝のようなものが動いているのを見た。「まさかと思った」が、長瀬さんの右腕だった。間もなく鈴木さんも救出され、人工呼吸で息を吹き返した。いずれのパーティーも、テント中央で寝ていた人は窒息を免れ命拾いした。

鈴木さんは会見で「リーダーを信じていた。まさか雪崩の起きる場所だとは思わなかった」と振り返り、また「メンバーが亡くなったことがまだ信じられない」と力なく語った。

中日新聞:登山者「判断ミスでない」 登山自体に疑問も:社会(CHUNICHI Web)

「判断は間違っていなかった」。現場に居合わせて救助に携わった登山者たちは、降りしきる雪の中を山に入り、テントを現場に張ったことについて、口をそろえた。雪崩はベテランたちの常識を超えたという。

高山署によると、被害の範囲が狭いことから、雪崩は槍平小屋から右俣谷を挟んで西側にある奥丸山の斜面で発生し、先端部が流れ着いたとみられている。大量の新雪が固い古い雪に積もって不安定な状態になり、何らかの衝撃で新雪部分が一気に滑り落ちる表層雪崩の可能性が高い。

救出された徳島岳人クラブの鈴木基男さん(47)は2日昼の会見で「雪崩がありそうな場所ではなかった」と悔しがった。槍平小屋はかつて右俣谷の対岸側にあったが、1973年に京大山岳部をのみ込む雪崩が発生するなど被害が相次いだのを受け、30年ほど前、平地に囲まれた現在地に移転。雪崩被害はなくなった。北アの山岳ガイドの内野政光さん(64)は「安全なはずだった。奥丸山の斜面は夏に崩壊を続けており、地形が変わっていたのかも」と推測した。

民間の北飛山岳救助隊の竹腰藤年隊長(59)は「雪があれば雪崩はどこにでも起きる。悪天候が分かっているのに登るべきではない」と指摘した。

雪崩 現場で30年余前も発生 - NHKニュース

北アルプスの槍ヶ岳で4人が死亡する雪崩が起きた現場は、多くの登山者に雪崩の起きにくい場所として知られる一方で、30年余り前にも雪崩が発生して、山小屋に被害が出ていたことがわかり、警察では、雪崩が起きたときの状況を詳しく調べ、あらためて安全な場所かどうか検証することにしています。

東京新聞:【関連】かき消えた新年の誓い 槍ケ岳雪崩 『頑張れ』必死の救出実らず:社会(TOKYO Web)

ただ、この冬一番の強い寒気の流入は予想されていた。岐阜地方気象台は二十七日から年末年始の大雪に警戒を呼び掛けた。三十一日早朝には大雪警報も出て、北アへの越年入山者は例年の三分の一だった。

鈴木さんは「天気は必ずよくなるというリーダーの判断」と振り返る。

両グループは槍ケ岳登頂を目指し、三十日夕に槍平にテントを設営。鈴木さんらは携帯電話で気象情報をチェックし、危険な山頂のアタックは避け、安全と思われた小屋前で待機していた

三十一日夜、予想を超える降雪量に、三峰山岳会のテントでは「あす下山しようか」、徳島岳人クラブ側では「道が雪で消えていれば中止しよう」と話し合っていたところだったという。

アルプス雪崩研究所(長野県白馬村)所長の若林隆三元信州大教授(67)=雪氷学=は「もともと槍平は氷河と雪崩が作った地形で、大規模な雪崩の通り道ともいえる」と分析。「山に入ったことは無謀とは思わないが、これだけ積雪があればいつ雪崩が起きても不思議ではない。危ないと感じて引き返すべきだった」と話している。

若林教授の指摘は正しいのだろうが、山小屋のあるところで雪崩の被害に遭うとは、普通は考えないだろう。雪崩が頻発する箇所では大きな木が生えていないという点は、雪崩危険箇所の判断ポイントの1つだが、小屋のあるところで雪崩が起こるのは盲点ではないか。幕営場所に関してのみ言えば、判断に誤り、というのは酷と思う。

<槍ケ岳雪崩>34年前にも同様事故 危険性への切実感は?(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

snowinfo| 雪崩が起こるような所ではない

そこまでわかっていて、メディアは 「雪崩が起こるような所ではない」 といった言葉を切り取り、それをキャッチコピー化する。

事故の本質を突くでもなく、啓発にも役立たたず、 むしろ、異常なことが起こったであるかのような誤解を 雪崩の基礎知識を持たぬ人に広めてしまう まったくもって無意味なキャッチコピー。。。

奥丸山からの沢状地形の規模を考えれば、 小屋近くまで雪崩が到達しても、特に不思議ではない。 恐らく、数十メートル北側にテントを張っていれば 悲劇はなかったかもしれない。

♪パンパカパ~ン♪ また死にました Part 71

>>406
尾根で起きた雪崩は、谷へ逸れていく事になるので、 槍平小屋は、一番傾斜のゆるい尾根の末端に立て直されている。 今回は、距離は遠くても、「大きな」雪崩がおきやすい沢の延長線上に 幕営したパーティがやられた。 槍平小屋の建て直しの時に行われた判断が、登山家の常識になっていない。 話題になっている雪崩の走路の長さ、幅は、 雪崩報告書では必ず記載されている。

槍平小屋の周辺 - Yahoo!地図情報

最初のコメントに削除線を付けたが、建て直された槍平小屋が尾根の延長線上を選んで建てられているのに対し、今回事故にあったパーティは雪崩の堆積区となる沢の中にテントを張っていたことになるらしい。ということは場所の選定にも判断ミスがあったということになる。しかし、近くに小屋があったら油断してしまう人間は多い気がする。今回の事件を教訓としたい。

ただ、2つ玉低気圧による強烈な西高東低の気圧配置によって予想される悪天候にも関わらず入山したことや、幕営場所の選定に注意が不十分だったことをもって責めるのはたやすいが、私としては snowinfo の筆者の書かれていることが全てだと思う。以下に引用する。

「こんな天気の時に入って・・・・・・」と行動を責める人もいるが とてもそのような気にはなれない。

なぜなら、自身が自由に山で活動するため担保として 他者に対しても、自由に山で活動できることを保証しなければ フェアとはいえないから。

判断ミスはあった、 でもその対価は命で支払った それ以上、何を言う必要があるのか。

八ヶ岳:硫黄岳で低体温症に

強風で低体温症に、硫黄岳で登山者を救助 - 信州・長野県のニュース:SBC信越放送

山岡さんは1人で赤岳鉱泉から硫黄岳を目指していましたが、途中で意識がもうろうとなったところを別の登山者が発見しました。

信濃毎日新聞[信毎web] 県北部山沿いや飯山で雪、2日昼前まで降り続く見通し

八ケ岳連峰・硫黄岳「赤岩の頭」(標高2、656メートル)付近では、31日午前9時50分ごろ、登山道で東京都豊島区、自営業山岡正志さん(60)が倒れているのを登山者が発見。茅野署員や諏訪地区遭対協隊員が救助した。山岡さんは顔や耳に凍傷を負った。同署によると、単独登山中に吹雪で低体温症になったらしい。

2007年12月30日日曜日

南ア:仙丈ケ岳でパーティの一部が一時行方不明

長野 仙丈ヶ岳で3人遭難か - NHK茨城県のニュース

長野県と山梨県の県境にある南アルプスの仙丈ヶ岳で、登山をしていた茨城県庁の職員ら10人のパーティーのうち28歳から59歳の男性3人の行方がわからなくなり、警察は、遭難したおそれもあるとみて31日朝から捜索しています。

30日午後9時ごろ、パーティーのメンバーからふもとの山小屋を通じて警察に通報があったもので警察によりますと、10人は29日から登山を始め、30日に山小屋に着いたたところ3人がいないのに気づいたということです。警察は遭難したおそれもあるとみて31日朝から捜索しています。

登山の3人が一時不明=南アルプス、無事救出-長野県警(時事通信) - Yahoo!ニュース

長野、山梨県境の南アルプス仙丈ケ岳(3033メートル)で31日、登山中の茨城県庁職員ら10人のうち、男性3人が一時行方不明になる騒ぎがあった。長野県警などの捜索隊が同日早朝から捜索を開始し、午前11時すぎに下山中の3人を発見した。いずれもけがはない。

山の事故:南アで茨城の3人不明、一夜明け無事発見 - 毎日jp(毎日新聞)

北條さんらは「登頂後、吹雪で帰りのルートが分からなくなり、ビバークしていた」と話しているという。

2007年12月29日土曜日

ミシュラン「三つ星」の高尾山で遭難倍増

観光ガイド「三つ星」の高尾山で遭難倍増 : 旅得NEWSBOX : 旅ゅーん : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

初心者続々 背広姿、サンダルも

都心近郊のハイキングコースとして人気の高尾山(東京都八王子市、標高599メートル)で今年、遭難事故が多発している。25日現在、41件(43人)で、昨年の20件(26人)のほぼ倍。

レストランを星の数で格付けすることで知られるフランス・ミシュラン社が発売した日本の観光ガイドで、富士山と並ぶ最高位の「三つ星」を獲得したことが話題を呼び、軽装で訪れる初心者が後を絶たないためだ。「サンダルやハイヒール姿も珍しくない」といい、警視庁は注意を呼び掛けている。

2007年12月26日水曜日

上越:仙ノ倉山でクマに襲われ大けが

新潟でクマに襲われ大けが - 社会ニュース : nikkansports.com - クマに襲われ大けが

26日午前10時40分ごろ、新潟県湯沢町の山中で、登山をしていた東京都練馬区、専門学校生山本雅祥さん(45)がクマに襲われ、右耳がちぎれる大けがを負った。命に別条はないという。

南魚沼署によると、山本さんは友人2人と同日午前9時ごろから、湯沢町の仙ノ倉山に向かって先頭で歩いていた。体長約1メートルのクマが現れ、山本さんに馬乗りになり、顔の右側や右腕などを殴った。後方の2人が大声を上げながら駆け寄るとクマは逃げたという。

友人が携帯電話で新潟県警に通報。県警はヘリコプターで山本さんを救助した。

この時期、熊が冬眠していないのは、おかしくないのだろうか。

雪の林道を歩いていたら右斜め前の方でガサゴソ音がしており、なんだろうと思って見て見ると黒い生き物が。あっクマだ!と一瞬言葉を飲み込んだと同時に飛びかかって来ました。(クマとわかって即座に大声を上げようとしたけど言葉を飲み込んじゃいました)

後ろのヤマケイさんによると、僕はウヮーっと大声を上げながらクマの下だったよう。重いザックに足下はワカン、両手にはストックというイデタチ。クマさんは大きめの小熊(110〜120センチくらい)ほど。しかしけっこう重たかった印象があります。

とにかく、ちらりと見たらクマさんがいて、何だかひっくり返ってストックを持ちながらその腕で防御くらいが関の山な状況でした。(なかじくんいわくクマの下の亀の子状態(?!)だったそうです)ストックで刺すことも試みたけど、長くてダメ。クマに馬のりにされて前足の爪で幾度と引っ掛かれ、初めの方に右の耳を、後からよけようとした右腕をやられちゃいました。ガバガバと足爪で引っ掛いた後、後ろの方に走り去って行きました。

クマを右斜め前、距離で6メートルくらい先に見てから立ち去るまで、おそらく7、8秒だったと思います。本当にあっという間の出来事でした。

2007年12月18日火曜日

元旦の富士山でのご来光が簡単に拝めると思うなかれ

「軽装登山者はお帰りを」年越し・富士山5合目で初の試み(読売新聞) - Yahoo!ニュース

厳冬期の富士山は、厳しい山です。

アイゼンの歯が立たないほどの凍結した斜面や、対風姿勢を取っても引きはがされてしまうような強風に対処できる自信と経験がないなら、遠くから眺めるだけで我慢しましょう。

2007年12月10日月曜日

奥鬼怒川:オロオソロシ滝で道迷い(ブログより)

ぺんぎん隊副隊長のブログ » プチ遭難を体験して・・・(回想)

ぺんぎん隊副隊長のブログ » プチ遭難を体験して(回想)・・・その2

ぺんぎん隊副隊長のブログ » プチ遭難を体験して(回想)・・・その3

メンバーから「沢を目指して下りましょう!」と意見が出された。私は一瞬躊躇した。ビバークするにしても水が必要だとの意味である。

 少し考えた後に沢を目指して下る決断をして全員が斜面の下方を目指す。

ぺんぎん隊副隊長のブログ » プチ遭難を体験して(机上にて)

ぺんぎん隊副隊長のブログ » プチ遭難を体験して(再び現地へ)

ぺんぎん隊副隊長のブログ » プチ遭難を体験して(再び現地にて)・・・その2

現地を再訪し結果として私が思っていた「跨いだかも知れなかった登山道」は存在しなかったと思われる。獣道か単なる地形の悪戯だったのだ。

折角行ったのだから大崩壊地を詰めてその謎の登山道を実際にこの目で確かめて来たら良いだろうと言われるかも知れないが、実はもう二度とあの大崩壊地の登攀の恐怖と詰めの藪漕ぎはしたくないのが正直な思いだ。

再度登った事でこの一年の間、大きな重量で圧し掛かっていた「もしかしたらあれが・・・」という仲間達に対する責任からは逃れる事が出来たと思っている。でも最初の計画段階で既に『遭難へのプロローグ』は始っていたのかも知れない。

「行けば何とかなるさ!」これが山渓をフィールドとする山屋、沢屋から「釣り屋は最低だ。」と言われる所以なのかも知れない。地形図も満足に読めない、コンパスも使えない(持っていても使わないのも同類)では、そう言われても返す言葉が無い。

ぺんぎん隊副隊長のブログ » プチ遭難を体験して(終章)

さて、遭難の原因は判明した。そう、あれは遭難なのだ。下山時刻が予定より大幅に遅れたり、陽が落ちても幕営装備を持たない身で山中に居たのであるからあれはれっきとした遭難だと私は思っている。そしてそれは大変恥ずかしい事なのだ。

遭難するにはそれなりの理由がある。私たちの場合を考えてみることにした。

  • 今までに沢を詰めて稜線まで上がった経験があまりない。
  • 時間的余裕に欠けていた。
  • 1:25000図は持参していたものの要所要所での現在地確認をしていない。
  • 一番大切な場面で「多分こっちだろう」的な感覚での行動をしてしまった
  • この全てにリーダーとしての私の責任がある。

    • 地形図に在る登山道の存在だけを頼りに計画を立てた事。
    • 沢登りのグレードだけが頭にあり容易な場所だと思っていた事。

    結局は計画を甘く見ていた結果である。

    それともう一つ。

    日没が近づいた時点で「沢に下りましょう。」と言われて承諾した部分に自分ながら疑問を持っている。我々の教えられた基本は「道に迷ったら元に戻る」「沢に下らずに尾根に上がる」と言うものだった。しかし私たちは沢を目指して下り、結局は登山道に出た。結果オーライという奴である。

    でも本当に良かったのかな?という疑問は残る。道迷いの遭難で重大事故に繋がるのはここである。無理に下って行く中で滑落や転落を招く事例が多いからだ。

    ここで私がこの意見に反対しなかった理由は只一つだった。この日の私たちは沢登りの装備でありザイル・ハーネス・カラビナ・エイト環などを全員が持っていたためだ。こんな時、大体が沢に出合う場所は崖であるから以上の装備無しでは絶対に沢に向かわなかった。

    でも本当に正しかったのか?無事に帰ってしまった事実が結果判断を鈍らせているのは間違いない。息子が一緒に居たという状況で、もし沢に降り立つ場面に遭遇したとしたら、「お前はザイルワークが完璧に出来たか?」と考えると自信が無い。リーダーとして、親として、失格と判を押されるに違いない。

    2007年12月4日火曜日

    大雪山:黒岳で山スキーの行方不明男性、雪洞で三日三晩耐え救出 

    asahi.com:雪洞で寒さ耐え三日三晩 遭難の男性救出-マイタウン北海道

    上川支庁上川町の大雪山系黒岳(標高1984メートル)に1人でスキーに出かけ行方が分からなくなっていた男性が、3日後の4日朝、捜索中の陸上自衛隊ヘリに救助された。脱水症状はあるが凍傷などのけがはない。持参したおにぎりで飢えをしのぎ、夜間は雪洞の中で寒さを耐えていたという。

    救出されたのは、道職員の坂本祥一さん(31)=美幌町稲美。旭川東署によると、坂本さんは1日、日帰りの予定で黒岳に入山。層雲峡地区の「黒岳ロープウェイ」やリフトを使った後、山頂まで登り、滑走を始めたが、吹雪に見舞われた。「視界は10メートル以下。前が見えなくなり、迷った」という。

    戻るため山頂を目指したがやはり、迷った。1〜3日夜は、雪の穴を掘って夜を過ごした。ただ、3日から4日にかけては疲労や脱水症状のせいか「記憶がない」という。4日午前9時前、発見された。

    気象庁によると、黒岳のふもとの観測地は1〜4日朝、気温はいずれも零下。マイナス9・2度まで下がることもあった。旭川東署の署員は「生きているとは、想像もしなかった」と驚いていた。

    2007年12月2日日曜日

    南アで携帯つながる場所の調査へ

    中日新聞:南アで携帯つながる場所は? 県警山岳遭難救助隊が調査:静岡(CHUNICHI Web)

    山岳遭難救助隊は富士山、南アルプスを管内に抱える静岡中央、富士宮、御殿場の3署と県警本部地域課の20人で構成。訓練は毎年この時期に行っており、今年は4泊5日の日程で笊ケ岳(ざるがたけ、2629メートル)、青薙山(あおなぎやま、2406メートル)など、いずれも標高2000メートル以上の山の尾根を回る。テントに泊まりながら約10キロを踏破し、ザイルや県警ヘリを使った救助訓練、遭難者搬送訓練を行う。

    今回初めて行う携帯電話調査は、通話とメール、衛星利用測位システム(GPS)が山で利用できるかどうかを調べる。ドコモ、au、ソフトバンクの大手3社の携帯電話を使用。頂上や鉄塔など目印になる場所約10カ所で、電波状態や機能の使用状況を調べる。通信データは県警のパソコンに記録し、今後の山岳遭難対策に役立てる。

    北アルプスより山深い南アルプスでは、是非やってほしい。結果が期待されます。

    登山以外の遭難事故:2007年12月

    クマに襲われ男性重傷 群馬・南牧村 - MSN産経ニュース

    2日午前10時ごろ、群馬県南牧村六車の山林で、1人で狩猟に来ていた同県高崎市の男性会社員(40)がクマに襲われて頭と顔をかまれ、左腕を折る重傷を負った。

    富良野スキー場でスノーボードの男性死亡 - 社会ニュース : nikkansports.com

    10日午前11時50分ごろ、北海道富良野市北の峰町の富良野スキー場で、雪に埋まっているスノーボードの男性をスキー客が発見した。男性は病院に搬送されたが死亡した。窒息死とみられる。富良野署は仲間の話などから東京都内の会社員とみて確認を急いでいる。

    同署によると、男性は富良野スキー場北の峰エリアのコースで頭から雪に突っ込んだ状態で発見された。圧雪状態でない場所だった。

    GPSで位置特定 遭難者をヘリ救出:岩手 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    雪道で運転を誤り、雪だまりに車を突っ込み走行不能に。自力で下山しようと、吹雪の中を歩き出したが、午後1時半ごろ携帯電話で110番通報し、「立丸峠付近で遭難した」と救助を求めた。

    県警のヘリが約30分後に付近に到着したが、男性の姿は見つからず、携帯電話に連絡を取ってGPS機能が付いてないかを確認したところ、携帯電話に同機能が付いていたため、位置が特定でき、無事救助された。

    ニセコでスノボの会社員が遭難、ずぶぬれで発見も意識不明 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    捜索をしていた道警などが26日午前9時5分ごろ、同スキー場の南側を流れる川の中で倒れている川田さんを発見した。川田さんはヘリコプターで札幌市内の病院に搬送されたが、意識不明の重体。

    調べによると、川田さんは25日正午ごろ、友人と2人でスキー場を訪れ、雪上車で頂上まで登って滑り始めた。友人が先に滑り降りたが、2時間ほど待っても降りてこないため、通報した。

    2007年12月1日土曜日

    南ア:夜叉神峠小屋付近で71歳の男性急死

    南アルプスNET - 南アルプス登山道で病死

    1日午前11時55分ごろ、南アルプス市芦安芦倉の夜叉神峠小屋付近の登山道で、東京都調布市の会社役員男性(71)が突然倒れ、登山仲間が119番通報した。県防災ヘリ「あかふじ」が救助したが、搬送先の病院で死亡が確認された。病死とみられる。

    24時:南アルプス・登山中の男性が病死 /山梨(毎日新聞) - Yahoo!ニュース