2008年1月4日金曜日

計画書を出す登山者はたったの 6% - 埼玉県

登山届 知ってますか 計画書提出 県内わずか6% 県警「万一に備え出して」

登山計画書は、登山の行動予定と携行する装備、食料などを記入するのが一般的。登山口のポストや近くの交番などに提出する。富山県や群馬県などは提出義務を条例化しているが、埼玉をはじめ多くの自治体は登山者の意思に委ねている。

県警地域課によると、県内の山で、昨年一月から同十一月末に登山計画書を提出した人は一万二千人。二十万人とされる登山者の6%。宝登山(秩父郡長瀞町)を登ろうとしていた登山初心者の男性(30)が「計画書を書くなんて聞いたことがない」と言うように、なじみは薄い。

大霧山(秩父郡皆野町)の登山口に設置されている計画書提出ポストには、計画書が何通か入っていた。だが、大抵の人は見向きもしない。登山歴十五年以上の男性(58)も「あることは知っていたが、特に意識はしなかった」と言い、山に登っていった。

これに対し、少しでも多くの人に計画書を提出してもらおうと、県警は昨年五月から、計画書を県警ホームページから送信できるようにした。書類だけでなく、最新の山岳情報も提供している。だが、昨年十一月末現在で電子申請はわずか三十二件。ほとんど利用されていないのが実情だ。

とはいえ、登山計画書を出していたことで、一命を取り留めた例も多い。二〇〇四年には、県警が計画書を基に両神山で遭難者を捜索したところ、捜索開始から約二時間で救出できた。