レジャー事故:大型連休序盤、相次ぐ 2人死亡、1人行方不明 /静岡
毎日新聞
大型連休が始まった28日から29日にかけ、県内では滑落事故や山岳遭難など7件のトラブルが相次ぎ、2人が死亡、1人が行方不明となっている。連休前半の県内はお出かけ日和に恵まれそうで、レジャー中の事故にも注意が必要だ。
29日午後1時25分ごろ、富士宮市根原の「アサギリ高原パラグライダースクール」離陸場所付近で、生徒の離陸を補助していた男性従業員、浅子智由(ちかよし)さん(42)が50〜100メートル下の崖下に転落。浅子さんは多発外傷性ショックで間もなく死亡が確認された。
静岡市葵区千代2の山中では29日午前7時50分ごろ、同区平和2の無職、山崎一郎さん(73)が亡くなっているのを捜索していた静岡中央署員が発見した。同署によると、山崎さんは28日午前10時ごろ「タケノコを取りに行く」と自宅を出たが、夜になっても戻らないため妻が通報した。山崎さんの遺体に外傷はなく、同署は病死とみて調べている。
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松崎町雲見の岩山「海金剛」では29日午前10時20分ごろ、ロッククライミングをしていた横浜市緑区の会社員、鈴木正之さん(41)が高さ約30メートルの地点を仲間2人と移動中、約3メートル下に滑落。県警航空隊のヘリが約3時間後に救助した。松崎署によると、鈴木さんは、右足首に全治約2週間の軽傷。
また、御殿場署によると、同日午前7時半ごろ、入山禁止中の富士山を登っていた裾野市須山の専門学校生、二宮啓仁(たかひと)さん(19)が雪で足を滑らせ、約20メートル下に滑落して軽傷を負い、同ヘリで救助された。
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山中で道に迷う人も続出した。静岡中央署によると、28日午後9時20分ごろ、同市葵区昭府2の造園業、西郷豊さん(62)が「釣りに行ったまま帰宅しない」と妻から通報があった。29日午前6時45分ごろ、署員が同区井川に駐車中の車両に西郷さんが戻ってきたところを無事保護した。
さらに、伊豆市冷川の山中で行方不明だった神奈川県湯河原町土肥の無職、柳沢辰一さん(72)は、29日午前5時半ごろ、近くのゴルフ場に下りてきたところを職員に無事発見された。
一方、28日昼ごろ島田市川根町笹間上で山菜採りに行ったまま行方不明となっていた近くの無職、平井ふくさん(76)は、警察や地元住民など約130人体制で捜索したが、29日も発見できなかった。