asahi.com:雪洞で寒さ耐え三日三晩 遭難の男性救出-マイタウン北海道
上川支庁上川町の大雪山系黒岳(標高1984メートル)に1人でスキーに出かけ行方が分からなくなっていた男性が、3日後の4日朝、捜索中の陸上自衛隊ヘリに救助された。脱水症状はあるが凍傷などのけがはない。持参したおにぎりで飢えをしのぎ、夜間は雪洞の中で寒さを耐えていたという。
救出されたのは、道職員の坂本祥一さん(31)=美幌町稲美。旭川東署によると、坂本さんは1日、日帰りの予定で黒岳に入山。層雲峡地区の「黒岳ロープウェイ」やリフトを使った後、山頂まで登り、滑走を始めたが、吹雪に見舞われた。「視界は10メートル以下。前が見えなくなり、迷った」という。
戻るため山頂を目指したがやはり、迷った。1〜3日夜は、雪の穴を掘って夜を過ごした。ただ、3日から4日にかけては疲労や脱水症状のせいか「記憶がない」という。4日午前9時前、発見された。
気象庁によると、黒岳のふもとの観測地は1〜4日朝、気温はいずれも零下。マイナス9・2度まで下がることもあった。旭川東署の署員は「生きているとは、想像もしなかった」と驚いていた。